〜失敗と感謝の日々〜4人の勇者(優者)の話
私は常日頃から様々な物をリュックやバッグに詰めて移動します。なかなかの荷物持ちです(だいぶ減りましたが、以前は出勤時に人に会うと山登りでも行くんですか?と何度か言われました)
今日はリュックに店で使うお酒(ウオッカとラム)を2本入れて出勤。
いつも通り小田急線接続の千代田線我孫子行きに乗りました。
こちらは降車駅の日比谷まで直通ですので、座れると20分ほどゆっくり出来ます。
出勤する午後の時間帯は、ほぼ座れるもので今日も乗車して直ぐ角の席が空いておりましたので座る前にお酒入りリュックを頭上の棚に置きました。
縦置きして置いた時に一瞬、変な違和感を感じましたが…とりあえず座りました。
いつもは読書したりYouTubeを見たりするのですが、ちょうど高額な限定ウイスキーの案内が来てましたので早速クレジットカードを出して購入フォームへ。
電車内でクレカを出してこんな事するのも氣をつけた方が良いのかなぁとか、考えながらもよくしてしまいます。電波通信がなんだか不安定でなかなか購入決済出来ないで、ん〜これは明日買えって事なのか、とか考えたりしてますと…落ちてきました。
リュックが。
ズドンと。
フルボトルのお酒2本入っていますし、お茶も入れてましたから、なかなかイイ音がしました。
アラアラっていうような、いつもの呑氣な感じでリュックを持ち上げようとした、その瞬間にヤバイかもって感触が…と、同時にリュックの底から透明な液体がジワーッと流れ出てきました。
電車内は着座率100%、お立ちの方々ポツポツ。
たぶん視線全集中
一瞬なのか、3秒くらいなのか、久しぶりにフリーズして「どうする…」
とりあえずリュックを開けました。
案の定なかなか見事にビンが割れ粉々な雰囲気。
すぐ1番上に仕事着の下に着る白Tシャツがあり、見た瞬間(これで拭く?)ちょっと躊躇しつつも、これしかないと白Tシャツを握った瞬間…アッ痛えっ!
クラッシュの際の破片が飛んであったようで見事に刺さり流血。
小さな破片は目視してましたが…やはり少し瞬間的なパニック状態だったのでしょう、まだまだ未熟です。
もうでもそんな事にかまっている場合ではなく、お酒は流れる血も流れる、もので。
とにかく白Tシャツには血もついた事だし、もう開き直って白Tシャツでお酒を拭き始めたら意外とTシャツに破片が沢山くっついていたようで…お酒の海にガラス破片が混ざってきてアラアラと。
血は止まらないし(かなり浅傷でしたが血はよく出ます)まいったな〜と1人で拭きながら止血しながら内心孤独焦燥感満載になりつつあったその時。
「これ良かったら使ってください」ティッシュ袋を手にした男性(1人目の勇者)が目の前に現れました(静かな声で、街でよく配られている広告タイプティッシュ)「有り難う御座います」
3席お隣に座っていた方だったかと。
そして、次はすぐ斜め前に立っていたお若いカップルの男性がゴソゴソし始めました。何か出そうとしてます…が、なんだか出てきません。次ではなかったようですね。
床を拭きつつも色々と察知してしまうのは職業病ですし、意外と既に冷静です。
と、そのゴソゴソが続く中それより先に少し離れた所から現れたであろう男性(2人目の勇者)が「これ使ってください」ティッシュ袋2個目がまた目の前に現れました(静かな声で、街でよく配られているまたもや広告タイプ)「有り難う御座います」
で、ゴソゴソゴソゴソされていた若カップル男性(3人目の勇者)が遂に取り出せたようで「袋がありますけど、これ使います?」(静かな声で、コンビニのビニール袋)「あ、助かります、有り難う御座います」
いただいたティッシュで止血しながら、Tシャツとティッシュの混合ダブルス仕様で流れ出るお酒と血をを必死に見えないように拭いてると…
正にしゃがんで床拭き小僧状態の私の目の前に、またティッシュが現れました。半ズボンの制服を着た小さな男の子(4人目の勇者はなんと小学1or2年生かと推測)が「これ使ってください」(可愛い小さな声で、柔らか系高級ティッシュ)「有り難う御座います」
何とか、1人で拭きあげた頃にはビニール袋のお若いカップル(ビニール袋は白Tシャツとティッシュなどを捨てる袋として非常に助かりました)とティッシュをお持ちくださった男性2名は既に居なくなっており(皆様、誠に有り難う御座いました)、小学生はいつ降りるかなぁ、と意識していると結局私が降りる予定だった日比谷駅で彼も降りました。
降車後、先を行く男の子をエスカレーターで捉え、もう一度「有り難う御座いました」と言うと彼は少し照れ臭そうな表情で「ウン」と頷き、私達は別れました。
お酒は割れて、様々たいへんな思いとケガをしましたがそれ以上に大きな大きな人々の優しさと愛を感じた出来事の長きに渡る投稿でありました。
ちなみに破損したお酒はロシア産ウオッカでした。
もう1本のラム(千葉県房総産のBOSOラム)は無傷。こちらはご常連様専用ボトルだったので、ラッキーでした。
当たりどころもあるかもしれませんが、瓶の質が根本的に違うのを割れ具合でも感じました。
BOSOラムの瓶は高品質が証明されました。
そして流出したウオッカの特徴は無味無臭(アルコールの香りは当然あります)で無糖なので、乾きも早ければ勿論ベタベタもしない。
濡れたもの全てが天然消毒されたような感じで、実は何だかスッキリしました。
これが、ラム(またBOSOラムは素晴らしい香りが強めで美味)やリキュール、流出するとMAX悲惨なシロップなどでなかったのが救いでした。
ちなみにウオッカ1,000mlを実は持って行きたかったのですが、何故か750mlしか見当たらず。
リュックの底には帰宅時に肌寒いかもと近々では珍しく羽織れる上着を入れていましたので、そちらが何としっかり吸水ならぬ吸酒をしてくれてました。様々な不幸中の幸い。
失敗であり失態でしたが、それ以上の人の温かさと必然のようなラッキーなどがあり、何とも素晴らしい体験でしたと締めたかったのですが…やはりその後の店に着いてからの後片付けはなかなか大変でありました(なんと吸酒上着の下には通帳をまとめたポーチがあり、通帳などアルコール消毒ビチャビチャ)
人生は見事なバランス、なのでしょうか
今回の一件での投稿にご出演された心優しい男性4名(勇者であり優者)の方々にはこの場をお借りして深く御礼を申し上げます。誠に有り難う御座いました。
お読みいただいた奇特な方は、誠におつかれ様でございました。
今日も良き一日を